もがいても、もがいても、うまくいかないことってあります。
努力するのが大切とは言われても、モチベーションが続かなくて途中でやめてしまったり、何となく自分には他の道が合っているような気がして、そっちに変えてみたり。
僕も、そうやってたくさん失敗してきました。
でも、そのおかげで保育士になる道を志すことができたし、こうしてブログやSNSで当時の失敗をネタにして発信することもできています。
だから、失敗や挫折が多い人生だからといって悲観する必要は全然なくて、むしろ人とは違った面白い生き方ができるためのスパイスみたいなもんだと思っています。
で、先日そんなことを思い出させてくれた出来事がありました。
近くのショッピングセンターに家族で出かけた日のことです。
最近は子どもがUFOキャッチャー(今はクレーンゲームっていうのが主流なんでしょうか?)にハマっていて、ショッピングセンターの中にあるゲームコーナーに行ったんですよね。
自分は近くで子どもの様子を見守るだけで、遊ぶつもりはさらさらなかったのですが、出会ってしまいました。
やつに。
ポケモンが結構好きなんですけど、その中でもコイキングはTOP3に入るくらい好きなんですよね。
何も考えてなさそうな目。
水ポケモンなのに、陸上に上がった姿で、しかもリアルにビチビチと跳ねる姿。
でも進化すれば、トップクラスに強いという。
そんなやつに出会ってしまったからには、もう取るしかありません。
とりあえず、アームの強さを確かめるために100円をチャリンと投入。
持ち上げたはいいけど、上に上がりきった瞬間、反動でスルっと落ちるコイキング。
どうやら、UFOキャッチャーでも屈指の鬼畜マシーンである「確率機」のようでした。
確率機というのは、ある一定金額に達するまでアームの強さが弱いままになっているクレーンのことです。
1000円で終わるのか、2000円で終わるのか、もしくは5000円以上かかるのかはやってみないと分かりません。
もう1度100円を投入し、様子見。
少し景品口の近くに寄って、スルリと落ちるコイキング。
「これは行ける気がする・・・!」
そう思って、娘(8歳)が見守る中、1000円を崩して挑戦することを決めました。
チャリン・・・ウィーン、スルっポトン。
床に落ちて跳ねて遠ざかるコイキング。
チャリン・・・ウィーン、スルっ。
つかみきれずに空を切る。。。
チャリン・・・ウィーン、スルっ、ポテ。
なぜか直立するコイキング。
チャリン・・・ウィーン、スルっ、ボテ。
アームに当たって、横に倒れる。
チャリン・・・(以下略)
地獄でした。
コインを投入すれども、景品口に近づくところか遠ざかる始末。
それどころか変に狙いをつけすぎて、アームで持ち上がりすらしない。
「1000円入れたし、もうやめようかな・・・。」
あきらめかけたその時、僕はあることを思い出しました。
それは、
この台が・・・
確率機だった!
ということです。
金額がどれくらいに達したら取れるかはわからないけど、続けていれば、いつか終わりが来る!
そう確信して、取れるまでチャレンジすることを決めたのです。
「パパ、おかねなくなっちゃうよ~。」
と心配する娘(8歳)。
娘よ。男には戦わなければいけない時があるんだ・・・。
そう心の中でつぶやき、黙って100円を入れて再挑戦。
景品口の近くに寄せたと思ったのに、またしても遠ざかる。
でもあきらめない。やつを取るまでは!
寄せる。落ちる。遠ざかる。
何度もゴールに近づきかけたのに、思わぬトラブルが起きて引き戻される。
合計で1900円まで投入したけれど、結局スタート位置まで戻ってしまう始末。
見かねた娘(8歳)が、
「パパ、私が代わりにとるよ!」
とおもむろに自分の財布から100円を取り出し始めました。
娘に心配される父。
たかが、UFOキャッチャーの景品。
されど、UFOキャッチャーの景品。
僕はコイキングをあきらめませんでした。
娘よ父の勇姿をその目に焼き付けなさい。
「もうこれで終わりにしよう。」
崩し切った100円を入れて、全集中してコイキング一点を見つめました。
ドクンドクン・・・と心臓が高鳴り、周りのゲームの音がかき消されていく。
景品(コイキング)を挟んで、アクリル板があるはずなのに、あまりにも透き通って、そこには何も僕たちを挟むものはないほどに見えました。
こういう時に最大限の集中力を発揮するのはどうかと思いますが、この100円ですべてが報われるような気がしました。
これまで何度もやつを落として分かりましたが、重心は目の位置にあるようです。
そこをつかめば、安定して運べることは確信していました。
あとはそこに狙いをつけて、そっとボタンを押すだけ。
何度も微調整を繰り返し、アームの中心を目に合わせます。
そして、バン!と「つかむ」ボタンを押しました。
ウィーンとゆっくりと下がるアーム。
まるでそこだけ時間軸が違って見えたように、超スローモーションで降りてくるように見える。
期待させておいて、絶望の淵に叩き落すアーム。
何度こいつに心をもてあそばれたか。
娘(8歳)も隣で祈るように見つめていました。
ガシッ!
アームがしっかりとやつを捉えて、ゆっくりと持ち上げます。
重心は安定していて、さながら網にかかった鯉のようでした。
そして運命の瞬間が訪れます。
ガシン!
これまでは上に引き上げ切ったところで反動で落ちていたのに、なんと今回は落ちなかったのです。
そう、確率が発動しました。
アームの力は最大限に発揮されていて、ゆっくりと、でも確実に景品口まで運びます。
そして、待ちに待った瞬間が・・・!
ストン。
アームの爪が開き、僕は宝を手にすることが出来ました。
何も考えてなさそうなボーっとした目。
ぽかんと開いた口。( ゚д゚)
まぎれもなく、恋焦がれたやつを手にしたのです。
何があってもやりきるという「覚悟」が道を開いていく。
どれだけ絶望の淵に叩き落されても、「やりきる」と決めた時にやりきる覚悟が必要になる場面は多いです。
今回のUFOキャッチャーだってそうだし、仕事だってそうだし、このブログにしたってそうです。
この景品を取る!と決めて、それを取れるまで続ける。
この資格を取る!と決めて、それが取れるまで勉強を続ける。
UFOキャッチャーにはそんな人生の縮図を垣間見た気がします。
今回はたまたま2000円突っ込んで終わりにできましたが、確率が作動しなければ3000円、4000円と続いていたかもしれません。
運が良かった。
と言えば、そうなのかもしれません。
けれど、それ以上に僕にとっては「取る」と決めた覚悟が大切だったと感じました。
あの時、1000円で止めてしまえばこの宝は手に入らなかったし、こんな面白い経験はできませんでした。
もちろん、決めた事をやり抜けないと思った時の引き際も大切な時があります。
ディズニーランドに行きたいのに、北海道に行ってしまっては行けませんよね。
目的地は分かっているけど、手段や方法が間違っていると気づいた時に戻ったり、やり直しができるかどうかの判断も大切です。
ですが、「ここ一番」で勝負する時には何があっても逃げない覚悟が必要になります。
それは人生の分かれ道だったり、大切な人との出会いや距離を縮めたい時などに、得てしてやってくるものではないでしょうか。
「決めた事をやり抜く」
シンプルなことですけど、そういう生き方ができる人がやっぱりかっこいいと思いますし、そういう生き様を見せられる人に神様が味方して、運を呼び込めるような人生になるのではないか。
僕はそんな風に思っています。
運すらも呼び込めるような、覚悟を決めた生き方をしてみる。
苦しいこともあるけれど、その先には自分自身が手にしたかった宝が必ず待っています。
<おまけ>
愛用のイスに置いてみたコイキング。
何ともキュートです^^